父の教訓
私の父はあまり教訓めいたことを言わない人でした。その中で私が覚えている限りの教訓っぽいものは以下の3点でした。
1. 落ちているかりんとうは拾って食べてはいけない(5歳くらいのとき)
2. 鼻毛の手入れはしておけ(就職面接にあたって)
3. 何事も8割の力で取り組め(社会人になっていっぱいいっぱいのとき)
1.と2.は何となく想像がつくと思いますので、割愛します。当記事の本題は3.になります。
8割の力で
「何事も8割の力で取り組め」とは何ともやる気がなく、これまで「何事も全力で取り組め」と言われてきた人にとっては違和感があるでしょう。ただ私の経験から言わせてもらうと、「全力なんか出してもロクなことがない。」といったところです。そう、私は父の教訓を守らなかったのです(1.と2.は守りました!)。
父が言った事を要約・意訳すると、「全力(10割)で、取り組むと自分や周囲が見えなくなる。2割は自分や周囲に気を配りなさい。」となります。自動車のハンドルやブレーキもそうですが、遊び(余裕)は必要です。私は格闘技の経験が少しだけあるのですが、筋肉や関節にガチガチに力が入っていては怪我をしますし、力も引き出せません。2割くらい力を抜いて構えてやるとちょうどいい感じかもしれません。ちなみに10割脱力(ダツリキ)すると絶対的な防御力と莫大な攻撃力が手に入るらしいです。図1参照。知らんけど。

グラップラー刃牙(板垣恵介 秋田書店)より
ビジネスでも実務8割、管理業務2割のリソース配分くらいでいいのかも知れません。孫子でも、「必死は殺され、必生は虜にされる。」とあります。何事も全力で取り組めば、いづれ「詰み」なのです。脱力(ダツリキ)していきましょう。2割くらいは。
応用編
とは言っても長い人生、多少は無理をしないといけない場面もあると思います。私が大学の時分、研究室の指導教員であった方が、「学生には実力の1.2倍の負荷をかけるといちばん成長する。」とおっしゃっていました。実際のびのびと研究に取り込むことができ、大きな成長を果たせたと思います。そして、それ以上の負荷がかかるような無理をすれば、中長期的に見れば害の方が大きくなるのでしょう。図2参照。

ドラゴンボール(鳥山明 BIRD STUDIO 集英社)より
実際無理をして、体や心を壊しキャリアを棒に振る人もいるでしょう。人生は長い。それに時代は「失われた30年」、日本国政府の経済失政により個人の努力などゴミのように扱われる報われない時代です。何事もほどほどでよろしい。脱力(ダツリキ)してバランスよく生きましょう。







