月の夢
言の葉に
心をのせて
朝夕に
月満つ夢の
浅からずとも
ことのはに
こころをのせて
あさゆうに
つきみつゆめの
あさからずとも
暁の月
今はただ
人の心に
燈を
暁に沿う
幽かなる月
いまはただ
ひとのこころに
ともしびを
あかつきにそう
かすかなるつき
月と古人
立ちて待ち
居て待ち伏して
待つ月に
何をか思わん
古の人
たちてまち
いてまちふして
まつつきに
なにをかおもわん
いにしえのひと
鈴虫と柿
鈴虫に
柿やる頃の
侘しさよ
絶え無きものの
無きと知りつも
すずむしに
かきやるころの
わびしさよ
たえなきものの
なきとしりつも







