ChatGPTについて

 ChatGPT(チャットジーピーティー)皆さんお使いですか?ChatGPTはOpenAI社が開発・公開している人工知能チャットボット、平たく言うと文字入力で質問するとそれっぽいことを自動的に答えてくれるプログラムです。メディアなどにも取り上げられ、ご存じの方も多いと思います。

 ChatGPTはLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)という仕組みを背景に開発されています。ざっくり言うとインターネット上に公開されている膨大な文字データを収集してデータベース化を行います。その作業はプログラムが行う場合もあれば人為的に行われる場合もあります。そのようにして収集したデータをもとに遺伝的アルゴリズム(前回の計算結果を今回の計算の入力として再計算といったことを繰り返す)や強化学習(ひたすら何回も繰り返す)といった手法でAIに学習をさせています。

ChatGPTの本当にすごいところ

 文章を自動的に生成してくれるため、革命的発明のように捉えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、ChatGPTの本当にすごいところはそこではなく、まあまあ高いレベルで自然な日本語を生成できることです。下の画像は米国外務省の外国語研修ページからの引用です。米国のページですので英語を母国語とする人が基準ですが、日本語はアラビア語などと並び習得難易度はカテゴリ4、つまり最高レベルとされています。

米国外務省-外国語研修ページより。画像は日本語訳しています。

 しかも日本語話者は日本国の人口にほぼ等しいはずですから、実質国際語である英語に比べればサンプルデータ料は遙かに少ないということが予想できます。にもかかわらず、ここまで自然な日本語を生成できるところは素晴らしい限りです。しかも英語やそれに近しい言語なら精度はさらに高くなるはずです。

ChatGPTの残念なところ

 まずChatGTPはインターネットで調べたら分かるようないかにもそれっぽい回答しか返しません。あと平気で嘘を吐きます。それは前々項で述べたような仕組みで開発されている以上仕方がないことでもあります。従って、時事問題のような速報性が求められるような質問(例:明日の天気は?など)にも答えられません。

 また社会的に問題になるような過激な発言を(なるべく)しないように調整されているので、当たり障りのないことしか言いません。それなのに政治的にセンシティブな問題(ポリティカルコレクトネス、ブラックライブズマター、LGBTQなど)では、明らかに中立性を欠いた回答を返します。万能ツールだと思って使っていると痛い目をみます。弊社IT塾にお越しの学生さんには、「ChatGPTで論文書いちゃダメ。参考程度に使ってもいいけど必ず裏は取ってね。」とお伝えしています。

 そして注意点としてChatGTPに入力した内容はデータとして収集されています。プライバシーに関わることや外部に公表できないようなことは入力しないようにしてください。

 あとこれはChatGPT自体の問題ではありませんが、技術に対して私たちの心や司法制度もふくめた社会インフラが追いついていないという面もあります。これについては別記事で述べたいと思います。

ChatGPTとの正しい付き合い方

 前項で述べたとおり、ChatGPTはまだまだ発展途上の信頼性の低いツールであると言えます。ただ新しい技術の信頼性が低いのはAIに限ったことではありませんので、新しい技術が世界をどう変えるのか想像しながらエンターテインメントとして楽しむ、そして補助的にでも業務や生活に取り入れてみるというのが、正しい付き合い方のように思います。OpenAI社に巨額投資をおこなっているビル・ゲイツ氏もブログ記事、「AIの時代が始まった(原題:The Age of AI has begun)」で述べていますが、あくまでAIは人間をサポートし能力を拡張するものであるといった事を述べています。次項簡単な活用例を掲載しています。

ChatGPT活用例(pythonスクリプト)

 ChatGPTでプログラミングができる!というのをお聞きになった方もおられると思います。ただ生成されたコードを利用したり検証したりするのに、プログラミングや言語仕様などの知識が当然必要となります。プログラムの規模が大きくなり高度になってくると、それをAIに指示できるということはすなわちそれはソフトウェアの設計であり、コードを書くこととはそもそも別の作業になります。現在のところ以下のようなスニペット(snippet:コードの切れ端)を生成し補助的に用いるのが現実的な使い方であると思います。

ChatGPTスクリプト生成例

さいごに

 少し長めの記事になりましたがいかがでしたか?たかがAIされどAI。AIと言えどもたくさんあるツールのうちのひとつと割り切ることも大切です。そしてChatGPTのいちばん素晴らしいところは簡単に試せることです。ぜひ挑戦してみてください。こちらのリンクからアクセスできます。最初に登録が必要です。メールアドレスで登録するか、Googleアカウント、Microsoftアカウント、Apple IDのいずれかでログインすることができます。弊社IT塾のプランで体験していただくこともできます。お気軽にお問合せください。

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